プラネテス
久しぶりにだれかれかまわず薦めたい作品ですよこれは。
地球の軌道上に漂うデブリ*1を回収したり廃棄する人たちの物語。宇宙飛行士とか宇宙ステーションとか、月面基地とか普通にあって、割と普通に宇宙にいける時代(といっても70年くらい未来)で、でも戦争や民族紛争は今よりも激しい時代で、先進国と発展途上国の貧富の差はさらに広がっていて、そういう問題もがっつり描いている傑作です。
全26話で、序盤は1話完結の作りになっているけど、中盤から後半にかけては回をまたぐ展開が怒濤のラッシュで押し寄せてきて、見始めたら止まりませんでした。これリアルタイムで見てたらやばかったなー。続きが気になって仕事が手につかなかったかも。
原作の方も読んでみたんですが、原作はかなりいじくりまわされていて、原作ファンはこれをどう思っているんだろう。僕はアニメを見てから原作を読んだので、原作の方にはそれほど思い入れはなくて、むしろ原作だけならここまではハマらなかったのではないかと感じています。エピソードの組み立てや人物描写が荒削りな原作を、アニメスタッフが上手く洗練したなーと思いました。原作をそのままアニメ化しただけでは、タナベ*2の愛やハチマキ*3の心情描写は分かりにくいことこの上ないだろうと。かといって、原作ファンをないがしろにしているわけではなく、原作を読んでいないと分からないような、ちょっとしたセリフが随所にあって、ニヤリとさせられることもしばしば。遺言状*4を書くときに「お父さん、お葬式にロックは似合わないと思うので……」って最初は何のことか分からなかったけど、原作を読んで始めて意味が分かるセリフでした。本当になんでもないセリフで、ストーリーには何の影響もないセリフだけど、こういう遊びが絶妙なスパイスになっていい味を出していました。
いまよりもっと宇宙が身近な時代で、でもリアリティにあふれている世界観。そして心温まる、ほろっと涙する、胸を突き刺すように痛い、さまざまな人間ドラマがたくさん詰まったストーリー。それぞれに夢や想いや信念を持つ個性豊かまキャラクターたち。物語を構成するすべての要素が僕のツボを刺激しまくってくれて、やばいくらいハマってしまいました。これ絶対見ておいたほうがいいよ! すごいから!!
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