428〜封鎖された渋谷で〜 体験版レビュー

そんな訳で、体験版2枚も貰っちゃったら”書かなくちゃ”って気持ちになりますね。いや書かないってわけじゃないんですが、早く書かないといけないような気持ちにね、なります。
それでは書きます。
 
まずは操作性。
これは問題ないのではないかと。というか、こんなにWiiリモコンアドベンチャーゲーム(AVG)に向いてるとは思いませんでした。常々、AVGはコントローラーのボタン配置を片手でもできるようにしておいて欲しいと思っていたので、Wiiリモコンを使っての操作はものすごく快適でした。
 
次にシステム。
さすがにいくつものサウンドノベルを手がけてきただけのことはありますね。序盤の、しかも体験版をプレイしたに過ぎませんが、とくに首を捻るようなことは無かったです。タイムチャートは分かりやすくデザインされていたし、選択肢にダイレクトにジャンプできるのも便利、TIP(用語解説のようなもの)も味があって読んでて楽しい。普通にプレイするならば、とくに不便に感じることはないでしょう。
ただ、「BADENDリスト」にはやや不満が。僕は、サウンドノベルシリーズを遊ぶときはグッドエンドはもちろん、バッドエンドもすべて見るためにあらゆる選択肢を試す、あるいはバッドエンドになると分かっていても、あえてバッドエンドへの選択肢を選ぶプレイスタイルなのですが、428でそれをしようとするとちょっと問題が。
というのも、「BADENDリスト」が登場人物ごとに整理されているので、”何番のバッドエンドをまだ見ていないか”が非常に分かりにくくなっているのです。
例えば、バッドエンドが「1」から「10」まであるとして、

【BADENDリスト】
加納:1・2・4・7・10
亜智:3・5・8・9

となっていると、ぱっと見「6」がまだ未見であることが非常に分かりづらいとは思いませんか。
それと比較して、

【BADENDリスト】
1・2・3・4・5・―・7・8・9

となっているほうが、「あ、まだ「6」がまだだ」と分かりやすくはありませんか。
その点が大いに不満です。栞出現の条件が辿り着いたエンドの数であるならば、これはちょっとどうかなーと思います。製品版ではぜひ一覧表示でも見られるようにしてもらいたいです。まー。もう遅いか。
 
最後にシナリオ。
さすがにこれについては何とも言えませんね。だってまだ最初の1時間だから。
ただ、前作は登場人物にそれぞれ物語があり、彼らの選択が他の物語に影響を与えこそすれ、交わることはなかったんです。最後までそれぞれに、それぞれの物語があった。しかし、今作はそれとは真逆に感じてしまいました。登場人物の行動を巧に操り、1本の大きな物語を真の結末に導くのが目的なのではないかと。少なくとも体験版はそういう作りだった。
個人的な好みでいうのなら、前作のような作りが僕は好きです。何の気なしの選択が、実は他人の人生に多大な影響を及ぼしているんだけど、当人たちは知る由もなし。まさに「神」の視点で登場人物たちの人生を導いていく感じが、『街』の魅力の一つだったのではないかと思います。
しかし、たくさんの物語を用意した場合、自分に合わない物語が一つでもあったらその物語を進めるのは苦痛であり、でもその物語を進めないと気になっている物語が進まないので、イヤイヤプレイすることになることが予想されるわけです*1。それを考慮すると、今作のストーリー構成はアリだと思います。ある意味、メインストーリーに絶対の自信があるからこその、この構成なんだと信じます。というか、面白ければ何でもいいです。
 
と、いうわけで。
428〜封鎖された渋谷で〜』いいです。AVG好きなら一度はプレイすべき、語り継がれるゲームになるんじゃないかと、密かに期待しています。

*1:正直な話、前作のダンカンのシナリオは苦手でした。