ぼくんち
西原理恵子の同名漫画を映画化したもので、かの子ねーちゃんを観月ありさが演じるということでちょっと話題になった作品。以前から気になっていたのだけど、なかなか機会がなくて見逃していた。TSUTAYAが半額期間というのと、見るなら今のような時期にしか見られないと思って借りてきました。
で、今見終わった勢いで書いてますが、これはちょっと評価するのが難しい。原作の持っているイメージをそのまま映像化していて、画はすごい汚い。汚いけど、登場人物の心はみんなキレイ。こういう世界、というか社会はどこかにあって、みんなで助け合いながら必死に生きていて、僕もがんばらなあかん、という気にさせてくれる。
反面、これを見て自分の境遇をまだましというか、あの社会には混じりたくないという、自分のイヤな部分にも気づいてしまう作品で、もう一度見たいとは思わない。本当に、今だから見られた映画だと思う。
でも、本当に出てくる人たちはみんなあったかくて、気持ちのいい映画です。銭湯にやってきた兄弟が「ぼくんち、貧乏なんです!」と言ったら、番台のおばちゃんが「入れ!」っていうシーンとかは本当に見ていて気持ちいい。
猫の世話をしているおばあさん(通称「猫婆」)が死んだときに、それまであっちこっちで猫婆が生み捨ててきた子供たちがいっせいにお通夜に集まってきて、
「八百屋の息子やないですか、あんたもそうなんですか」
「あー、魚屋の! どうりで似てると思ったわ」
「あの人は必ず食いもんやのところに捨ててくれたからなぁ」
「おかげで、食べるもんには困りませんでしたわ」
みたいな会話を交わすところとかは最高に気持ちいい。本当に気持ちいい映画でした。他にも名セリフやいいシーンはいっぱいあります。
あー、原作が読みたくなってきた。
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